映画のミカタ

「北のカナリアたち」公開中

2012年公開の邦画作品、真打ち登場である。

おそらく賞レースは総なめに違いない「北のカナリアたち」。

雑誌の発売を待っていたので、UPが遅れてスミマセン。

 

本日発売の月刊「poroco」12月号にて

松田龍平さんのインタビューを担当させていただいた。

普段、単独でCPに回ったり、 番宣でバラエティ番組に出たりしない俳優さんなので

かなり貴重な機会だったと思っている。
あまり闊達なイメージがなかったので 会話が弾むかどうか、、と思っていたが

自分のペースで話しながら笑いも取れる人で、なかなか面白かった。

 

誌面に書かれていない話でいうと

個人的にはいつもどうやって役づくりをしているのか、に 興味があり、

聞いてみたところ、撮影前に作り込むタイプではないそう。

ただ、 「その現場の空気を感じ取って 役に入って行ける感性は常に持っていたい」と話されていた。

 

さすが10代から映画中心にキャリアを重ねている役者さんだな、 という気がする。

来年1月から始まるドラマ版「まほろ駅前多田便利軒」が、今から楽しみだ。

※インタビューと作品についての詳細は、どうぞ誌面をご覧ください!

ⓒ2012『北のカナリアたち』製作委員会 ※画像転載禁止

東映配給 札幌シネマフロンティア、ユナイテッド・シネマ札幌ほかで11月3日(土)より公開中。

公式サイト=http://www.kitanocanaria.jp/

私は稚内出身で、祖父母は漁村に住んでいた。

スクリーンに映し出される画はまさに、子どもの頃に見ていた風景そのものであり、

どこからどこまでがセットなのか、わからないほど。

それだけでも、こみ上げるものがあった。

そして、重たい鉛色をした冬のオホーツクの海を、 その向こうに浮かび上がる利尻富士を、

こんなに劇的に撮れるカメラマンは、 今の日本で木村大作ひとりかも知れない。
ニセコの羊蹄山が「蝦夷富士」と呼ばれているが、

私個人は、北海道で一番美しい山は断然、利尻富士だと思っている。

 

東映創立60周年の名に恥じない作品であり、

阪本順治監督のここまでのキャリアの集大成にして、最高傑作である。

間違いない。スクリーンで観るべし!

「北のカナリアたち」

11月3日(土) 公開

2012年日本東映2時間3分

阪本順治監督

吉永小百合、柴田恭兵、仲村トオル、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮﨑あおい、小池栄子、松田龍平ほか 出演

矢代真紀

WORD WORK  矢代真紀(やしろまき)

1968年、稚内生まれ、札幌在住の映画ライター。
編集プロダクション兼出版社に12年間勤務し、2001年に独立。
これまで23年間札幌の試写室に通い、作品紹介やインタビュー原稿を執筆。