映画のミカタ

「サンブンノイチ」4月1日(火)公開★品川ヒロシ監督インタビュー

4月1日エイプリールフールに公開される、本格クライムムービー「サンブンノイチ」。

 

川崎のキャバクラ”ハニーバニー”の店内に、3人の男がいる。

雇われ店長のシュウ(藤原竜也)、ボーイのコジ(田中聖)、常連客の健さん(小杉竜一)。

人生の一発逆転を賭けた3人は、銀行強盗に成功し、

今まさに手に入れた1億6千万を山分けしようとしていた。ところが…。


ⓒ2014「サンブンノイチ」製作委員会 ※画像転載禁止

KADOKAWA/吉本興業 配給 PG12指定  公式サイト=http://www.sanbunnoichi.jp/

 

写真の3人を軸に物語は展開するのだが、脇のキャストがものすごく濃い。

”ハニーバニー”のオーナーにして闇の帝王・破魔翔に、窪塚洋介、

店のナンバーワンキャパ嬢まりあに、中島美嘉。

裏社会を牛耳る伝説的金貸し、川崎の魔女こと渋柿多見子に、池畑慎之介☆、

による激しい騙し合いBATTLEが繰り広げられる。

 

そして先日、作品のキャンペーンのため来札した品川ヒロシ監督(写真↓)が、

忙しい中、この『映画のミカタ★』のために、単独インタビューの時間を割いて下さいました!

 

カメラを向けた私の「ケンカ上等!の顔で、お願いします」

というリクエストに快く応じて、表情を作ってくれた品川監督。

笑顔の写真もあるけど、今回はあえてこちらで。

監督デビュー作「ドロップ」、2作目の「漫才ギャング」も観たけれど、

3本目の本作は、まるで倍々ゲームのようにスケールアップした仕上がり。

個人的には、かなりツボな作品であった。

原作者の木下半太氏もかなりの映画好きだそうで、2人の映画愛が、あちこちに散りばめられている。

 

―――はじめに「サンブンノイチ」の映画化の話が出た時の感触は?

監督「原作を読んですぐ、フライング気味に脚本を書き始めたんです。

まだ本決まりになっていなかったんですが、自分の中でこの時は

いけるんじゃないかな、と確信めいたものがあったんですよね。

半太さんとは世代も近いし、好きなものも似ていたし」

―――その時、キャスティング案は出ていたのですか?

監督「まったく決まっていませんでしたが、小杉さんだけはアテ書きでした。

ハゲ、デブ、関西人。もう小杉さんしか頭に浮かばなくて(笑)

もちろん、役者さんたちに会ってまたセリフを書き換えたりもしましたし、

フルスロットルで演じてもらえるような脚本にはしたつもりです」

―――どのくらいの日数で撮ったんですか?

監督「35日間、撮休入れて40日くらいで集中して撮りました。そのあいだ、

僕は皆さんが撮休の日だけ、バラエティなど他の仕事を入れるようにして」

―――個人的には今回、窪塚さんの演技、すごかったと思うんですが。

監督「僕も昔からファンだったので、窪塚くんが出てくれたのは大ラッキーでした。

キャラクター的に原作と一番違うんで、彼の役(破魔翔)は見どころのひとつです。

―――ピーター(池畑)さんもド迫力で。あのジャージ姿も、ずるい!と(笑)

監督「今回、強烈な悪役が2人いるっていうね。しかも仲間じゃなくて、彼らの対決もある。

作品のセリフの間は、だいぶ早いと思います。でも2時間まくしたてられると

観る側も疲れちゃうので、音楽や映像でバランスを取ったつもりです」

―――脚本執筆、演出、編集など一連の作業で何が一番好きですか?

監督「僕は編集が好きですね。時間かけてるほうだと思います。

実ったものを摘み取る感覚というか。オープニングは特に好きなシーンです。

そのあたりも、編集してて楽しかったですね」

―――クエンティン・タランティーノ監督へのオマージュが感じられる映画でしたね。

監督「原作がもともと、そうなんですよ。僕いま41才なんですけど、

タランティーノも僕も、映画オタクなんじゃないかと。

今ってもうある程度、撮り方とか演出方法って、ある程度出揃ってますよね。

どの業界もそうですが、今まで出た札を研究して、

をリスペクトしながら、面白いものを作ってるような気がします。

自分もそうなれたらいいなと思っていて」

―――映画好きにとっては、ツボがいっぱいでした。

監督「万人が愛せる作品にはなっていると思います。

クライム・ムービーが好きで、ガイ・リッチー(の監督作品)なんかが好きだったりすると、

さらにはまって観てもらえるかなと。あと、本編には出てこないんですが、

自分の中では、シュウ(主人公)が、いろんな計画を次々と思い浮かぶのは

実は映画好きで、たくさん犯罪映画を観ているから、というキャラクター設定なんですよ」

―――なるほど、納得です!お忙しいところ、本当にありがとうございました。

「サンブンノイチ」

4月1日(火) 公開

2014年日本KADOKAWA/吉本興業1時間59分

品川ヒロシ監督・脚本

藤原竜也、田中聖、小杉竜一(ブラックマヨネーズ)、中島美嘉、窪塚洋介、池畑慎之介☆ほか 出演

矢代真紀

WORD WORK  矢代真紀(やしろまき)

1968年、稚内生まれ、札幌在住の映画ライター。
編集プロダクション兼出版社に12年間勤務し、2001年に独立。
これまで23年間札幌の試写室に通い、作品紹介やインタビュー原稿を執筆。