映画のミカタ

「超大作シリーズ・続編祭り」

今年は「超大作シリーズ・続編祭り」の年である。

とくに夏映画は、7月公開の
「ターミネーター:新起動/ジェニシス」
(シネマフロンティア札幌で公開中)


ⓒ2015 Paramount Pictures. All Rights Reserved. パラマウント配給
公式サイト=http://www.terminator-movie.jp/

を皮切りに、8月に入って
「ジュラシック・ワールド」
(シネマフロンティア札幌、ユナイテッド・シネマ札幌で公開中)

※プレスシート表紙より
公式サイト=http://www.jurassicworld.jp

「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」
(シネマフロンティア札幌、ユナイテッド・シネマ札幌、ディノスシネマズ札幌で公開中)

※プレスシート表紙より
公式サイト=http://www.missionimpossiblejp.jp

が相次いで公開になった。
もちろん、年末には「スターウォーズ/フォースの覚醒」の公開が控えている。

しかし映画を数多く観ると、これまでの経験値から
「期待しすぎるとロクなことにならない」ことを学んでおり、
「大ヒット作品の続編は、多くの場合、前作を超えない」ことも知っている。

私も、今年の夏の初めは
「おいおいだいじょうぶかよー、続編の大安売りになるんじゃないのかー」と、
非常に、穿った気持ちでいた。

が、しかし。
試写を観るにつけ、その予想は、良い方向に裏切られていく。
まず、「シュワちゃんおじいちゃんなのに、どーすんの。走れる?」と心配していた
「ターミネーター:新起動/ジェニシス」を観て
うわーーーん、面白いじゃないか!!!! となる。
なるほどー、このテがあったか。ウマイことやったもんだ。
こんなに面白いなら、ちゃんと前作までの復習(観直し)してから来るんだった!
と、後悔することに。

続いて
「1作目の『ジュラシック・パーク』(1993)を観たときは、恐竜のCGに驚いたもんだけど、
20年も経って、それも見慣れちゃったよねー」とタカをくくっていた
「ジュラシック・ワールド」を3D版で観て、
げげげ、なんだこのスケールアップ感は!!となる。
夏休み、テーマパークに行けなかった人は、代わりの入園料と思って
ぜひ3D、可能なら4Dで観ることをオススメする。
本当に、「恐竜がいる未来のテーマパーク」を訪れたような臨場感がある。
ついでに、準主役で出ているパーク職員役の女優は、
なんと名匠ロン・ハワードの娘だそうだ!

そして、個人的にも大好きなシリーズ
「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」。
これに関しては、実を言うと、さほど心配はしていなかった。
なぜかというと私がプロフィール欄にも好みの映画として挙げている
「ユージュアル・サスペクツ」の脚本家が、今回の監督だったから。

ブライアン・デパルマ監督の1作目を超えることは今後も難しいと思うし、
撮影出身の監督ではないので、ところどころ映像的にゆるい部分もあるが、
その分「ハナシ」はきちんと追ったつくりだ。

まあ何より、50代になってもスタントを使わずに
飛行機につかまり、水中で息を止め、バイクで階段を降りちゃうトムを観るだけで、
同輩諸君は勇気づけられること、うけあいである。

こんなに映画興業に貢献してもオスカーに縁のないトム・クルーズの代表作が、
結果、このシリーズとなっている今、
おそらく世界中の「アラフィフの星」として、続編が作られていくのだと思う。
(本人がやめるって言わない限りね)

そして、トムがすごいのは、この年齢になってなお「アイドルっぽさ」を
持ち合わせていることで。
ちょっとやそっとの努力では保つことのできない、本人の資質である。
遠い将来でも構わないので、いつか、
トムとレオには、オスカー獲らせてあげたいわー。と思ってしまう。

久しぶりのプレビューなので3本ダイジェストでお届けしました。
こんなに大作が粒ぞろいのことなんか、滅多にないので、
「どれも観てない」って人は、ぜひシルバーウィークに映画館へ!

あ、どれも、映画館のスクリーンサイズで観ないとダメな作品ですので。
くれぐれも、よろしく。

 

超大作シリーズ・続編祭り

現在 公開

矢代真紀

WORD WORK  矢代真紀(やしろまき)

1968年、稚内生まれ、札幌在住の映画ライター。
編集プロダクション兼出版社に12年間勤務し、2001年に独立。
これまで23年間札幌の試写室に通い、作品紹介やインタビュー原稿を執筆。