「007 スカイフォール」公開中
2012.12.29
さあ、私同様、しばし仕事から解放されて
「正月だから1本くらい映画を観たいよ、ハズさないやつね」という紳士淑女の皆さまへ。
はい、久しぶりの太鼓判です。「007 スカイフォール」。
ジェームズ・ボンドシリーズ第23作にして生誕50周年作品。
半世紀続いてること自体、ある意味奇跡よ。1作も観たことがない、という人もこれを機にぜひ!
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給 ※画像転載禁止
札幌シネマフロンティア、ディノスシネマズ札幌劇場、ユナイテッド・シネマ札幌ほかで公開中
公式サイト=http://www.skyfall.jp/
世界中に潜伏するMI6(英国情報局秘密情報部)のエージェントのリストファイルが
何者かによって盗まれた。ファイル奪還のため、
イスタンブールで敵と格闘していたボンド(ダニエル・クレイグ)は、
上司「M」(ジュディ・デンチ)の命令により発砲したイヴ(オナミ・ハリス)の誤射で、
列車の屋根から90m下の川に落下。組織内に「007死亡」のニュースが流れる…。
作品を愉しめるかどうかは、つまるところ「ダニエルのボンドが好きかどうか」に大きく左右されると思う。
私はストイックなこの6代目ボンドが大好きで、
5代目のピアース・ブロスナンの時に比べて俄然「前のめり」なんだけど、
ブロスナンや3代目のロジャー・ムーア、4代目ティモシー・ダルトンの
ちょっとヤサ男っぽい、甘さのあるボンドが好み、という人には物足りないみたいで。色気が足りないんだって。
いやー十分セクシーだと思うんだけどねえ。ま、そこは好みの問題。
ちなみにグレイグにぞっこんの私の友人は、
本作でシリーズ初登場となる、ITの天才でMI6の武器開発担当「Q」を演じる
ベン・ウィショーの大ファンでもあり、「もうコタエられん!」と言っとります。
ま、ストーリーについては詳しく触れませんが、
元エージェントの悪役シルヴァを演じるのはこの人、ハビエル・バルデム(写真右)。
「ノーカントリー」でヘンな髪型のサイコ犯罪者を演じた、彼であります。
もうね、気持ち悪いこと気持ち悪いこと。ほんと、何やっても巧い。
さらには監督が本国イギリス出身(もちろん007の大ファン)のサム・メンデスということで
人間ドラマの名手らしく、人物描写にぬかりない仕上がりになっている。
シリーズのウリであるアクションシーンのキレ味は言わずもがな。
共同脚本に「グラディエイター」のジョン・ローガン、
撮影は「ショーシャンクの空に」のロジャー・ディーキンスだからね。
役者もスタッフも一流で、駄作になるわけがない。本物の娯楽作って、こういうことだよ。
観終えた後、さすがは50周年作品! と思うはず。
「007 スカイフォール」
12月1日 公開
2012アメリカ・イギリス共同ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント2時間23分
サム・メンデス監督
ダニエル・クレイグ、ハビエル・バルデム、ジュディ・デンチ、レイフ・ファインズほか 出演
WORD WORK 矢代真紀(やしろまき)
1968年、稚内生まれ、札幌在住の映画ライター。
編集プロダクション兼出版社に12年間勤務し、2001年に独立。
これまで23年間札幌の試写室に通い、作品紹介やインタビュー原稿を執筆。