映画のミカタ

「007 スカイフォール」公開中

さあ、私同様、しばし仕事から解放されて

「正月だから1本くらい映画を観たいよ、ハズさないやつね」という紳士淑女の皆さまへ。

はい、久しぶりの太鼓判です。「007 スカイフォール」。

ジェームズ・ボンドシリーズ第23作にして生誕50周年作品。

半世紀続いてること自体、ある意味奇跡よ。1作も観たことがない、という人もこれを機にぜひ!

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給 ※画像転載禁止

札幌シネマフロンティア、ディノスシネマズ札幌劇場、ユナイテッド・シネマ札幌ほかで公開中

公式サイト=http://www.skyfall.jp/

 

世界中に潜伏するMI6(英国情報局秘密情報部)のエージェントのリストファイルが

何者かによって盗まれた。ファイル奪還のため、

イスタンブールで敵と格闘していたボンド(ダニエル・クレイグ)は、

上司「M」(ジュディ・デンチ)の命令により発砲したイヴ(オナミ・ハリス)の誤射で、

列車の屋根から90m下の川に落下。組織内に「007死亡」のニュースが流れる…。

 

作品を愉しめるかどうかは、つまるところ「ダニエルのボンドが好きかどうか」に大きく左右されると思う。

私はストイックなこの6代目ボンドが大好きで、

5代目のピアース・ブロスナンの時に比べて俄然「前のめり」なんだけど、

ブロスナンや3代目のロジャー・ムーア、4代目ティモシー・ダルトンの

ちょっとヤサ男っぽい、甘さのあるボンドが好み、という人には物足りないみたいで。色気が足りないんだって。

いやー十分セクシーだと思うんだけどねえ。ま、そこは好みの問題。

 

ちなみにグレイグにぞっこんの私の友人は、

本作でシリーズ初登場となる、ITの天才でMI6の武器開発担当「Q」を演じる

ベン・ウィショーの大ファンでもあり、「もうコタエられん!」と言っとります。

ま、ストーリーについては詳しく触れませんが、

元エージェントの悪役シルヴァを演じるのはこの人、ハビエル・バルデム(写真右)。

「ノーカントリー」でヘンな髪型のサイコ犯罪者を演じた、彼であります。

もうね、気持ち悪いこと気持ち悪いこと。ほんと、何やっても巧い。

 

さらには監督が本国イギリス出身(もちろん007の大ファン)のサム・メンデスということで

人間ドラマの名手らしく、人物描写にぬかりない仕上がりになっている。

シリーズのウリであるアクションシーンのキレ味は言わずもがな。

 

共同脚本に「グラディエイター」のジョン・ローガン、

撮影は「ショーシャンクの空に」のロジャー・ディーキンスだからね。

役者もスタッフも一流で、駄作になるわけがない。本物の娯楽作って、こういうことだよ。

観終えた後、さすがは50周年作品! と思うはず。

「007 スカイフォール」

12月1日 公開

2012アメリカ・イギリス共同ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント2時間23分

サム・メンデス監督

ダニエル・クレイグ、ハビエル・バルデム、ジュディ・デンチ、レイフ・ファインズほか 出演

矢代真紀

WORD WORK  矢代真紀(やしろまき)

1968年、稚内生まれ、札幌在住の映画ライター。
編集プロダクション兼出版社に12年間勤務し、2001年に独立。
これまで23年間札幌の試写室に通い、作品紹介やインタビュー原稿を執筆。