さちさきインタビュー

いろんな可能性が秘められているから、
とても楽しく、夢中になれます。

_MG_6686

Hokkaido Imai Farm

今井貴祐さん

農業従事者です。おもにじゃがいもを作っています。私にとってシゴトとは、人と会う契機であり、世界が広がる契機であり、それはイコール自分の人間性アップになるものと信じています。誰かに出会って、新しい世界が開けて視野が広がると、ものの見え方が変わりますよね。それはなんだか自分のレベルがひとつ上がったように思えて、とても嬉しいものです。シゴトは楽しい。いろんな可能性が秘められていて、私を夢中にさせてくれます。

_MG_6698

――今の農業と昔の農業は、全然違うように思います。外で作業をしているだけのシゴトじゃなくなりましたよね。

今井さん(以下、敬称略)そうですね、父の代の頃に比べて機械化が進み、作業が楽になった分、パソコンを使った事務的なシゴトが増えました。消費者の食への意識の高まりから、トレーサビリティの情報提供を求められるほか、これまではざっくりとしていた生産量や経費などがしっかり数値化され、「経営」という観点が明確に入りました。それが大きく変わった点のような気がしますね。

――今日の今井さんのように、スーツを着て、名刺を持っている方も増えました。

今井:農協青年部の集まりがあるんですけど、以前はみんな普段着でタバコ吸いながら…って感じだったんですよね。でも今は本当、普通の会社みたいになりましたよ。何かシゴトに対する意識が変わったんでしょうか。いつからこうなったかわかりませんけど、私個人は大阪から嫁いできた妻の影響が大きかったですね。妻と出会うまで私は、とても狭い世界で生きていて、例えば人に頭を下げることを知らなかったんです、お恥ずかしながら。でも妻に怒られ、うちに訪ねてくる取引相手の方などにもきちんとご挨拶するなど、外の世界のことを知っていきました。今の私があるのは、妻のおかげです。とても感謝しています。

――今井さんが作っているじゃがいもは食用ですか。

今井:食用と加工用です。近年は、カルビーのポテトチップスやセブンイレブンのポテトサラダの原料にも使われています。いもの糖熟度や収穫時期の指示があったり、ものすごく高い品質を求められるので、やりがいがあります。加工の仕方にもとてもこだわりがあるようでした。

――今後、何か取り組んでいきたいことはありますか。

今井:家庭で野菜を調理する、ということが減っているそうなので、料理にすぐ使えるレベルに加工した商品を作ったり、何か世の中のニーズに応えることをしたいですね。そのためには農業以外の知識も必要。学びたいことがたくさんです。あとはもっと多くの人と知り合い、連携すれば、できることが広がりますよね。そう、農業の今と昔が最も違うのはここかも。ただ育てて出荷するだけでなく、その「先」が生まれたような気がします。いろいろチャレンジして、新しい未来をつくっていきたいです。

名前今井貴祐さん
年齢1975年生まれ
性格超がつくほどの照れ屋
趣味脳内農業
シゴトのモットー考えて、やってみて、伝える
好きな作業仕事をつなげること
嫌いな作業寒い日の機械整備&修理
これからのこと創造、実践、経営をしたい!
シゴトとは人間性アップの契機

孫田二規子

OFFICE CATI  孫田二規子(まごたふみこ)

1972年、札幌生まれ、札幌在住のフリーライター。
道内をぐるぐるしながら、やわらかいものからかたいものまで、いろいろ書いています。