目指しているのは、シゴトの虫。
ユニークな研究に情熱をつぎ込んでいます!
2013.03.15
北海道大学観光学高等研究センター(大学院国際広報メディア・観光学院)
准教授 博士(国際広報メディア)
内田純一
あまり出会うことのない職種の方ということもあり、初対面でとても興味の湧いた北海道大学准教授の内田純一さん。私の質問の意味をしっかり考え、ていねいに答えてくださる姿が印象的でした。研究者の方はこうして、沈思黙考して答えを導き出していくのですね。内田さんの“ユニーク”なお人柄を、お伝えできれば幸いです!
サラリーマンから
北海道大学へ転職
――内田さんに初めてお会いした時、物腰がやわらかく、人との距離の取り方がスマートだな、という印象を受けました。
内田さん(以下、敬称略):サラリーマン時代に訓練された成果でしょうか。でも、これまでの客観的評価を統合した結果、見た目よりクールでドライな性格のようですので、やさしい人だと思ってくれている人には申し訳ないです(笑)
――内田研究室の学生さんからは、「先生はとても親身になってくれる」「やさしい」「生徒思い」というコメントが出ていましたので大丈夫です。
内田:………ありがとうござます(笑)
――さて、いまサラリーマン時代とおっしゃいましたが、一般企業から転職されて現在、北大で准教授をされているんですよね。
内田:前職は保険会社「AFLAC」で、入社当時は情報システムを担当していました。ちょうどインターネットが日本に普及する年のこと。日本中を回って、新システムの導入をして歩いていましたね。今でいうネットワークエンジニアの走りです。縁の下の力持ち的なシゴトでした。
――既にネットワークの専門知識をお持ちだったのですか。
内田:大学で経営情報学を学んでいたんです。授業が経営学半分、情報学半分なので、ネットワークの基礎知識はありました。あとは会社が人材養成に熱心だったので、研修でたくさん勉強させてもらいました。
――どういう契機で現職に。
内田:営業マーケティング系のシゴトで北海道に転勤になったので、北大の大学院で社会人に向けて夜に開講している授業を受け、修士号をとったんです。その後に今の学院で働く研究者を公募していたので、応募しました。最初は「北海道大学大学院国際広報メディア研究科助手」でした。
――教えたかったのですか、それとも研究をしたかったのですか。
内田:両方ですね。教えることに関しては、前職で営業教育を担当していた時期があり、もともと興味があったのではないかと思います。
他の人のしていない
唯一の研究をしたい
――内田研究室では、「観光地域マーケティング」「地域戦略論演習」など観光経営学の研究をされているそうですね。観光について興味を持ったのは大学院時代ですか。
内田:大学生の時ですね。ホテル経営論やフードサービス経営論、レジャー産業論などを観光関連の科目を多く受講していました。
――内田さんの研究について、わかりやすく説明してもらってもいいですか。
内田:地域や観光に関わる経営学の探求がメインですね。まちづくりやそのまちの観光について、どういうビジョンの立て方をするのか、地域ブランドをどう創るのか、そしてそれらの情報発信をどうしていくのかなどでしょうか。あとプランや戦略を理論化したり、サービスの革新方法を探ったり…。合わせて、情報技術やメディアの研究もしています。サービス産業への適要の可能性について研究しています。
――文系なのでしょうか、理系なのでしょうか。
内田:文系だけど理系の要素もあります。はっきりとは分けづらいですね。私もエンジニアだった過去はありますが、完全な理系ではないですし、発想が文系です。
――研究者として目指す姿はありますか。
内田:他の人のしていない研究をしたいですね。一番乗りの研究がいいです。やっぱりユニークでありたいんですよ。唯一でありたい。これがイコール、シゴトのモットーにも繫がりますね。
――教育者としては。
内田:プロ意識を大事にしています。今はもっと授業をよくしていきたいと思っています。これまで以上にきれいに話せるようになりたいし、眠くても目を開けていたいと思わせる授業というのも目指しています(笑)。
シゴトの虫になりたいです
――今後の展望を教えてもらますか。
内田:2009年に書いた本「地域イノベーション戦略」が縁で理事を務めることになった地域デザイン学会のメンバーと一緒に、近々本を出します。「海」と「島」をブランドデザインするという内容で、ちょっと変わった本になりそうです。
――とても面白いテーマですね。おめでとうございます。期待して待っています。では最後に、内田さんにとってシゴトとは。
内田:…………虫。
――え?
内田:いえ、私、「シゴトの虫」みたくなりたいんですよ。この人こんなにたくさんシゴトするんだな、とか言われている人が好きなんですよね。そういうひとつのことに夢中になっている姿にとても憧れます。ですので自分もそうなりたいし、そうなってこそのシゴトだと思うんです。なのでシゴトとは、と言われると、シゴトの虫という結果に…。
――笑。
内田:虫が微妙でしたら、情熱をつぎ込むもの、夢中になるもの、とかにしてもらえますでしょうか。
――了解です(笑)どうもありがとうございました!
北海道大学観光学高等研究センター(大学院国際広報メディア・観光学院)
http://www.cats.hokudai.ac.jp/~uchida/ http://www.imc.hokudai.ac.jp/imcts/teacher/?cmd=dt&id=65
名前 | 内田純一 |
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年齢 | 1971年生まれ |
性格 | マイナス思考。でもいまプラス思考にしようと頑張っています(笑) |
趣味 | 映画鑑賞 |
シゴトのモットー | ユニーク(唯一)でありたい |
好きな作業 | 文献を読むこと、文章を書くこと |
嫌いな作業 | 会議(不毛な会議の場合だけです) |
これからのこと | 少しずつ専門分野を拡げたい |
シゴトとは | シゴトの虫(情熱をつぎ込むもの、夢中になるもの) |
OFFICE CATI 孫田二規子(まごたふみこ)
1972年、札幌生まれ、札幌在住のフリーライター。
道内をぐるぐるしながら、やわらかいものからかたいものまで、いろいろ書いています。