「一枚のめぐり逢い」
2012.07.02
正統派ラブストーリー「一枚のめぐり逢い」。
イラクの戦場に赴いたローガン(ザック・エフロン)は、殺伐とした戦地で 一枚の写真を拾った。
ひとりの美しい女性が写ったもので、 それを拾って以来、ローガンは写真に守られているかのように
危険な目に遭っても奇跡的に生き延びて、帰国する。
しかし帰国後も戦争から受けた心の傷は深く、 親類のもとを去ったローガンは、
背景に写る灯台を頼りに、 愛犬とともに写真の女性を探す旅に出ることに。
たどり着いたルイジアナ州で、写真の女性は 犬のトレーニング施設を切り盛りする
シングルマザーのベス(テイラー・シリング)だと分かり、彼女を訪ねるローガン。
しかし、ベスは、ローガンを スタッフ応募にやってきたものと勘違いする…。
ⓒ2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ※画像転載禁止
ワーナー・ブラザース映画配給
札幌シネマフロンティア、ユナイテッド・シネマ札幌ほかで6月16日(土)より公開中
公式サイト=http://wwws.warnerbros.co.jp/theluckyone/index.html
名作「シャイン」(1996年)を手掛けた、スコット・ヒックス監督の新作。
同名の小説を原作に、互いに複雑な事情を抱えた男女のロマンスを描く。
主演のエフロンは、丸顔で完全な二枚目ではないが、 ニューイヤーズ・イブ」でも見せていた、
純で人懐っこい笑顔が魅力。
芯の強そうな表情を見せるシリングとは好対照で、 なかなか新鮮な顔合わせだった。
「拾った写真に導かれて、身も知らぬ女性と出会う」という設定自体、 現実には考えにくい。
でも、だからこそ逆に、 物語の世界にすんなり入り込める場合もあると思う。
そのストーリーに合わせて、 ヒックス監督の演出、撮影、音楽等、今回はすべてが「王道」的だ。
日本語として違和感がある邦題に関してはやや不満だが、
ローガンとベスの距離が近づいたり離れたりする展開を見守ることで、
恋愛映画ならではのドキドキする醍醐味を、きっと感じられると思う。
「一枚のめぐり逢い」
6月16日 公開
2012年アメリカワーナー・ブラザース映画1時間41分
スコット・ヒックス監督
ザック・エフロン、テイラー・シリングほか 出演
WORD WORK 矢代真紀(やしろまき)
1968年、稚内生まれ、札幌在住の映画ライター。
編集プロダクション兼出版社に12年間勤務し、2001年に独立。
これまで23年間札幌の試写室に通い、作品紹介やインタビュー原稿を執筆。